●この写真は,地理写真として結構使えるかもしれない思い,ここに拡大してみました.



簡単にポイントをば.むしろ,地理的見方・考え方(地理的思考)の訓練かも・・・.

【ステップ1:写真から地理的事象を読む】
◆なるべく多くのことを,1枚の写真から読み取る.
地形・土地利用は?→例)@扇状地,A果樹園(リンゴ),B建設(新幹線)など
季節は?例)山の頂きに見える雪から春か秋を考え,果樹の実がなっていないので,春と断定する.
      というか,見るからに春って感じですが.

【ステップ2:地形図と写真とを対比する】
◆この写真の範囲の地形図を見て比較する.
インターネットを利用して,こちら地図閲覧サービス)やここ彩色地形図閲覧)などを参照すれば,
オンラインで確認することができます.
今回の場所は,図幅の境界にありましたので,複数の地形図が必要ですね.
地形図を見れば,ステップ1で読み取った内容を,確認することができます.
ただし,新幹線の建設など反映されていないところもあります.
しかし,現在ではデジタルデータなので,地形図に修正があっても,以前より早く反映させることができます.
ちなみに,新幹線は開業間際または開業後に地形図へ反映されることと思います.(多分)

【ステップ3:空中写真と対比する】
◆地上での写真と空中写真とを対比させてみる.
これも,インターネットを利用して,こちら空中写真閲覧サービス)よりここ国土画像情報閲覧)を参照することにします.
なお,もとはこのような画面で好きなところを選択してこの画面にして,解像度も選べます.
この場所は,昭和51年しかありませんでしたが,東京の都心部などは平成の画像で比較的最近のものもあります.
さて,空中写真からは何がわかるでしょうか.
この写真を撮影した位置が分かりますか?

【ステップ4:時間的変化をみる】
◆ステップ2・ステップ3の応用編.
ステップ2・ステップ3では,情報に対する時間的要素は重要視しませんでした.
しかし,過去の地図や写真により,その地域の変容をみることもできます.
他の資料や情報により地域についてわかることもあるでしょう.
地域の変容やその付帯する情報から,現在ある状況の背景など,様々なことがわかると思います.
それは,自然的なものかもしれませんし,人文的なことかもしれません.
地理学は,そうした自然と人間のかかわりについて考える側面をもっています.
この先は,ぜひ自分で調べてみてください.

【おわりに】
1枚の写真とインターネットから,いろいろ広がるものですね.
あとは,このような見方・考え方でもって野外に出れば,世界が変わるかもしれません.
あ,これで50分は講義できそうな気がする・・・.
せっかくの写真を有効活用したつもりだが,最初からある程度ねらった写真のほうが,お勉強にはむいているかも.
今後は,教科書通りの地理的事象を見つけ,分かりやすくしていく次第です.

※読図については,雑誌地理(古今書院)で2004年6月号より特集されていますので,そちらを参考にされるとよろしいかと思います.